〒892-0805鹿児島県鹿児島市大竜町8-1 歯科・歯医者・インプラント
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院長の舩﨑です。 今日は真面目な話ですw 歯は直接歯槽骨という顎の骨に生えているわけではなく、歯根膜という線維性の組織を介して存在しています。そしてこの歯根膜には噛んだときの力加減や食べ物の硬さを知る感覚受容器が多数存在しています。 ちなみに仮に食べ物の中に髪の毛が混入していたとします。髪の毛の太さは日本人ですと約0.05mmとかなり細いですが、食べ物の中に混入している髪の毛も噛んだときに違和感として感じられます。これも歯根膜が感知しているからで、髪の毛のような細いモノも感知できる相当感度の高いセンサーだと言えます。 で、その歯根膜はたとえ抜髄と言って神経を取っても歯が存在する限りは機能しており、脳に情報を送っています。 以下は個人情報にも関わりますので多少脚色しますが、とある患者様が顔半分の違和感や顎のあたりの痛みで昨年から脳神経科や耳鼻科で散々診察されたそうですが、別の病院にも行って何度調べても異常はないという診断。ところがますます症状は強くなって焦燥しておられました。 一応最初は顎関節症と思われたのですが、よくよく話をお伺いしますとどうもそうではないらしい。 で、さらに真剣に診査したところ一番奥の第2大臼歯の歯肉がやや発赤しているのに気が付きました。歯に触れたところわずかに動いています。 結論ですが、局所的に歯周病で歯根周囲の骨が若干吸収し、咬合のたびに歯に余計な力が加わり、挙句の果てにはその感覚を受容する歯根膜が興奮し、乱発した情報を常に脳に送り続けたことが原因だったようです。余計な応力を除くために咬合調整をしたところ症状はすぐさま軽減されたようで、患者様のお顔には安堵の色が見えました。 若干長きに渡って症状がありましたので、完全に症状が取れるのには少し時間が必要かもしれませんし、まだ他に要因がないとも言い切れませんので経過の観察の必要がありますが、脳神経や耳鼻科を複数受診されてもわからなかった症状を除くことができたのは患者様のみならず私にとっても喜ばしいことでした。 歯根膜とはそういう組織であり、要は患者様の訴えにどこかヒントになることがないか真剣に細かに全身で相対することが必要であるということを身に持って感じられたケースでした。
2023-03-11 08:57:15
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